東南亜細亜掬魚紀行外伝
植物漫遊記


植物漫遊記シリーズ2006
BRASIL
Espirito Santo


Vitoria 〜
Santa Teresa

さて、2日目は朝からサンタテレーザに向かいます。ヴィトリアから北西の山間部に60Km程入った所にある町で、イタリア系の人が沢山住んでいる町です。ヴィトリア市街をぬけて山間部にさしかかると、道は小さな谷に沿って進みます。谷の両側の斜面にはバナナが植えられていますが、大きな岩が沢山頭を出しており、岩と岩の間にまばらに生えていると言った状況です。谷底には沢が流れていて、所々で積み重なった大きな岩の下に潜り込んでいます。そんな場所の岩の上にエクメアが沢山着生していました。場所的に近付くのが困難でしたので写真だけ撮って移動しました。

さらに先へ進むと、道ばたの木の上に大きなエクメアが着生しているのが目にとまりました。早速車を停めて撮影します。どうやら先ほど、岩の上に着生していたエクメアと同種のようです。鮮やかな赤い花序を撮ろうと、色々な角度から撮影していると、ハチドリが現れてエクメアの蜜を吸い始めました。あわててシャッターを切りましたが、あまりうまく撮れていなかったようです。ここにはこのタイプのエクメアが沢山着生しており、小さな実生株も見られました。幸先のよいスタートです。

↑岩の上にあるのは全てエクメアと着生サボテン
↑エクメアが沢山着生していました。
↑直径は1.5m程あります。
↑吸蜜中のハチドリ(真ん中)
↑この株は真っ赤になっていますが、多分同種でしょう。
↑種類不明です。Bill.euphemiaeかな?
↑このような子株が沢山見られました。
↑道ばたに咲いていた花
↑地生蘭のOeceoclades maculataの様です。
↑放牧中
Santa Teresa

サンタテレーザはこぢんまりとした町ですが、中心街はパステルカラーに塗られたカラフルな家が多く、石畳の道と相まって独特の雰囲気を持っています。僕達は情報収集のため、中心街から少しはずれたあたりにある、ハチドリ博物館(Mello Leita Biological Museum)を訪れました。サンタテレーザ在住だった故Augusto Ruschi(ラスキ)氏の業績を記念して建てられた博物館です。氏はハチドリの研究家として有名ですが、ブロメリアの新種も多数発見しています。博物館は広大な敷地の植物園といった感じで、標本などの展示室もありますが、大半は自然の森を利用したと思われる自然公園です。

↑博物館入り口。町中はこんな石畳が多い。
↑入り口脇にあったケスネリア・テスツード
↑ティランジア・ゲミニフローラ
↑ガラス越しにしか見ることのできない温室。ラスキ氏のコレクション?
↑入り口脇にあったビルベルギア。アモエナでしょうか?
↑多分カニストラム・リンデニー
↑ロックガーデンもありました。
↑ディッキア
↑一株だけ有ったプヤ
↑オルソフィツム
↑これもオルソフィツム
↑オルソフィツムやベロジア、ノボタンの仲間
↑エクメア・ブロメリフォリア?ちょっと違う気もするけど・・・ ↑白い花のベロジア。ここの問題点はラベルに標本番号しか書いていないことです!種類がわかりません。


Santa Teresa近郊
民家のお庭

博物館で仕入れた情報をもとに、町を出て山の方に向かいます。道は途中から舗装されていない赤土の道路に変わりました。路面はローラー車でしっかり平らに踏み固められており、これから舗装されるのでしょう、工事車両が所々で見られます。

林の中をしばらく進むと、ちょっとこぎれいな民家が現れました。道路から奥に入ったところに建物が建っており、ゲートから建物までは庭の中を車が入れるようになっています。ゲートわきの木には大型のビルベルギアが着生しています。庭師のおじさんが居ましたので、話を聞いてみると自然に生えている物だそうです。庭の奥にも沢山あるということですので、見せてもらいました。おじさんによると、この辺の森には沢山あるので採ってきて着生させたのもあるが、大半は自然に生えている物と言うことでした。

↑広い庭にはブロメリアが点在。手前はAech.ブロメリフォリア
↑ロゼット内に隠れていたキリギリス

↑ゲートわきの木
↑Billbergia porteanaと思われます。

↑こっちは薄暗いところに有った株

↑Billbergia euphemiaeでしょう。

民家の裏山
民家の裏に入っていくと、裏山の森のなかに小道が続いています。早速突入してみました。

この森の奥に入り込みます。このヤシは食用になるヤシでタケノコのような食感です。
↑森のなかはこんな感じ。かなり薄暗いです。
↑最初に見つけたブロメリア。地生していました。エクメアかな?
↑Nidularium cariacicaenseと思われます。 ↑Vriesea simplexです。これにはハチドリが飛んできました。
↑周りには沢山着生していました。比較的薄暗い環境です。
↑実生株も沢山ありました。
↑カラテアの仲間です。
↑ヘリコニアも有りました。


Santa Teresa近郊

庭師のおじさんに別れを告げてさらに進むと、道路脇の木の上に何か着生しています。葉の根元が黒く染まる特徴的な姿からフリーセア・エリスロダクティロンと思われます。ここは小さな流れを道路がせき止めてしまったために森の一部が湿地帯になってしまった様です。環境の変化に耐えられなかったのでしょう、もともと生えていた木が枯れて立ち並んでいます。周りを見ると立ち枯れた木には他にも様々なブロメリアが着生していました。

↑立ち枯れた木が沢山並んでいます。
↑Vriesea erythrodactylon

↑一番多いのがVriesea erythrodactylonでした。

↑Aechmea bromeliifoliaでしょうか
↑花序があがってきています。Aechmea bromeliifolia
↑V.simplexはここではこの株だけでした。

↑Bill.euphemiaeは比較的多いようです。

↑ちょっと判りづらいですが、Bill.euphemiaeがツタのように幹を登ってゆくのがわかります。
↑T.ゲミニフローラでしょう。周りの森のなかにも沢山着生していました。 ↑帰国してからこんなのが写っているのに気付きました〜(泣)。ラシナエアのようです。
↑謎のネオレゲリア。形や色はアンプラセアですが、カラーパターンはパウシフローラです。この写真ではわかりづらいのですが、葉の裏側に白いワックスのバンドがでてます。白い花なら・・・もしやプンクタ・・・ってことはないですよね。 ↑5〜6m程の木の上にあったフリーセア・ラシナエア

地面に落下していたティランジアですが、何でしょうか?カウツキーに似ていますが・・・


さらに、車は森のなかを流れる沢のすぐ横を進みます。沢のまわりの木にはニズラリウムが着生していました。
↑これはフリーセアでしょうか。葉の赤いブロメリアです。 ↑多分ニズラリウムでしょう
↑Nidularium cariacicaenseでしょう
↑自生地はすばらしいですね。



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