Tillandsia 'Tropifrola'
本来、「トロピフローラ」の名前はジャマイカ産の自然交雑種、ファシクラータ×コンプレッサの非常に花序が豪華な個体に与えられたものなのですが、現在一般に出回っている「トロピフローラ」はその個体からの自家受粉による実生繁殖株のようです。
人間もそうですが、同じ親から生まれてくる子供でも兄弟では見かけが違います。植物も同じように実生株は形質がばらつくのです。実際、先日友人の所有する「トロピフローラ」を拝見する機会に恵まれたのですが、写真のものよりもコンプレッサの血が強く出ているようでした。
洋ラン業界ではこういった株をF1、セルフシブリング等と記載して厳格に区別しているのですが、ブロメリアの業界ではまだそういったルールが確立されていないようです。
近年、ティランジアの交配種を多く見かけるようになってきました。今後は混乱を避けるためにそういったルール作りが必要になってくるのではないかと思います。
2012年9月20日追記
驚くべきことに、現在正式にトロピフローラとして品種登録されているのは実生株のほうです。オリジナルの自然交配個体はどうなってしまったのでしょう・・・
トロピフローラ社から購入した株
トロピフローラ社から購入した個体です。個体差があるか比較のために購入したのですが、花宇からの個体とはあまり差が無いようです。また、この様な大型の花序をつける種にはよくあることですが、開花が進むにつれ花序も成長して大型になってゆきます。花序の小さい写真は初開花時のもの、花序が大きいほうの写真は数ヵ月後に最後の花が開花した時点の姿です。
花宇から購入した株
花宇さんから購入した個体です。肥培しなかったせいか、あまり大きな花序をつけてくれませんでした。温室に侵入してきたトノサマバッタに葉をかじられてしまいました。
Copyright(C). Ichiro Ueno. all right reserved.