とても丈夫で、育てやすいティランジアです。入門種としてお勧めです。様々なバリエーションがありますが、写真は最も普及していると思われるタイプで、たゆみまさんから購入しました。アエラントスとはラテン語で「空中に咲く花」という意味です。ブラジル南部からパラグアイ、ウルグアイ、アルゼンチン北部に分布し、低海抜地域の林内に着生します。
参考文献 FLORA NEOTOROPICA No14 Part2 Tillandsioideae
Tillandsia aeranthos var. aemula
基本変種よりもやや大きくなり、茎が長くなる傾向の強い変種です。変種としての分類ではなく、基本変種とする研究者もいるようです。ブラジルのロザリオ・ド・スル州、セロ・カベラで発見されました。Iheringia, Ser. Bot., Porto Alegre, n54, p19-44. 2000
葉の根本が紫色になる美しい“ミニ・パープル”と呼ばれる品種です。アエラントスは分布域が広いので、地域変異なのか、それとも他種との自然交雑なのか、はたまた選抜交配種?
Tillandsia aeranthos Clone #1
ミニパープルを大きくしたような魅力的なクローンです。全体的に濃い紫色になり、葉の表面にはしっかりとトリコームが乗るため、金属のオブジェのような質感があります。
Tillandsia aeranthos Clone #3
この名前でトロピフローラから輸入した大型のクローンですが、開花してみると花弁が灰色で通常のアエラントスとは明らかに異なる形質を示します。ヨーロッパやオーストラリアでしばしばMajorとして流通しているクローンによく似ているようです。また、これらの灰色の花弁を持つアエラントス系のティランジアは現在、T.
'Nez Misso'やT.aeranthos 'Grisea'と呼ばれるものが知られていますが、いずれも本来原種であるのか交配種なのか、はたまた同じ種なのか?不明なようです。
T. 'Nez Misso'はベルゲリーとアエラントスのハイブリッドではないかと考えられていますが、花弁の形状などからベルゲリーを片親と考えるのには無理があるという意見もあるようです。もともとはミッソ氏がオエセル博士から譲り受けた植物のようでリーマン・スミス博士も同定できなかったようです。
T.aeranthos 'Grisea'はもともとT. dianthoides var. griseaとされていたもので現在はベルゲリーのシノニムとされています。しかし、形質的にはアエラントスに近い植物のようです。
この植物の正体は不明ですが、オーストラリアの友人が保有するグリセアに非常によく似ているようです。
アエラントスとして販売されていますが、分類学上かなり怪しいようです。1970年頃にはナーセリーのカタログにその名前が登場するようですが、記載文献自体が存在しないようです。またヨーロッパやオーストラリアで流通する'
Major 'は明らかにアメリカで流通するものとは形質が異なるようです。写真の個体はアメリカのトロピフローラから入手したものですが、デレク・ブッチャー氏によるとアメリカで流通している個体群はアエラントスXテヌイフォリアの可能性が高いそうです。
また、2004年に品種登録されたTillandsia 'Confusion'はこの植物と同一のクローンではないかと考える研究者もいます。
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