サムイ島
Ko Samui

サムイ島は面積247平方キロメートルとタイで3番目に大きい島である。いわゆる<南の島>で、マリンリゾートの島である。
1994年9月当時大学生だった私は、1ヶ月も続く期末試験に完全にまいってしまい、とにかく南の島に行こうと堅く心に誓っていた。ようやく試験も終了し、約3週間の試験休みが始まった。
AL誌のベタ特集号に「サムイ島にはベタスプレンデンスが生息しているらしいが、別種の可能性がある」という記述を見た私はさっそくサムイ島について調べてみた。
すると、そこは“オアツラエムキ”の南のリゾートではないか。
わたしはタモ網を持って飛行機に乗っていた。

湿地帯

メナム・ビーチからチャウエン・ビーチに向かうとビッグブッダ・ビーチへの三叉路に出くわす。ここには溜め池とその周りに広がる湿地帯がある。湿地帯は半分埋め立てられているようで、割と足場もよく、水際まで簡単に近づくことができた。上の写真のように、湿地帯にはイグサの仲間が生い茂り、その間にはロタラと思われる水草や、アメリカンスプライトが見られた。最初に写真の奥の方に見える、水深の深い場所の岸から張り出した水草の間に網を入れてみた。水は泥で濁っている。ときどき水面にスネークヘッドが顔を出しボイルを繰り返す。しかし、網に入ってくるのは小型のヌマエビやコオイムシの仲間、パンチャックスばかりである。さらにしつこく網で探っていると、スリースポットグーラミーが網に入ってきた。初めて見るワイルド個体の美しさに、新鮮なものを感じた。

アプロケイルスsp
流れのないため池のような所から小川の下流など、ほとんどの場所で見られた。水面を見ていると、額の白く輝くスポットが目立ち、すぐにいることが判る。spとしたのはぼくがメダカに詳しくないからです。

スリースポット・グーラミー
初めて見たワイルド個体のグーラミー。日本でも非常にポピュラーな種類だが、自然下の個体は非常に美しい。

アメリカンスプライト
ちょっとわかりにくいが、アメリカンスプライトの水上葉である。ここでは水上葉のみで、水中葉は見られなかった。

ルドウィジアの仲間
写真の下の方に写っている白いものは、私の持っていったタモ網である。このように網を水中に据えておき、50センチ四方程の範囲の水をひっかき回して、網の方に魚を追い込むのだ。

水深の深い場所ではいくらやっても、ベタは採集できなかった。
そこで、水の中に入って採集することにした。今回は旅行のついでに採集を・・・と思っていたので、バカ長がない。
素足にNikeのサンダルで水の中に入ることにした。
2〜3日前に降った雨で増水しているらしく、岸辺に生えている草が沈んでいるところがあり、その向こうに本来の岸があるようだ。
そこをめざして踏み込んだのはいいが、サンダルが10センチほどずぶずぶとめり込んで歩きづらい。
足を引き抜こうとしていると、サンダルと足の裏の隙間に、突然魚が飛び込んできた。
魚をつぶさないように慎重に足を引き抜き、魚をタモに収容すると、そこには婚姻色の出た雄のベタ・インベリスが入っていたのだ。

ベタ・インベリス

採集直後の写真です(真ん中の魚)。上の方の魚はパンチャックスです。

婚姻色の出たオス
各鰭のブルーは光線の具合によってグリーンにも輝き、大変美しい。この個体はF1の中で3番目に強かった個体である。一番強かった個体に比べると、全身のブラックの乗りがいまいちである。(写真が汚くてすみません)

産卵可能なメス
充分に成熟した雌。腹部に白いポッチがはっきり見える。こうなるといつでも産卵可能なのはスプレンデンス種と一緒

ベタの泡巣
真ん中の白いところがベタの泡巣である。ここも水深5センチ程度の所である。

ぼくは探す場所を間違えていたのである。ベタは、水深が3〜5センチしかない水没した草むらの中に潜んでいたのである。
どんな所にいるか判れば、あとは簡単だ。ちょっと探しただけで30匹ほど採集できた。
水深の浅い場所に密生したイグサの間にも多くの個体が見られた。そして、ベタのものと思われる泡巣もそこで確認できた。
ぼくは約10匹を持ち帰ることにした。


ナ・ムアンの滝(Na Muang Waterfall)

サムイ島の観光案内を見れば必ず載っている場所である。そのせいか、観光客が多いので、採集をしていると好奇の視線を浴びてしまうのが難点である。滝自体は、傾斜のきつい岩盤を水がつたわり降りてくるといったもので、それほど水量は多くない。滝から続く川にはクリアーウォーターが流れており、2〜3センチ程度のラスボラ、プンテウスの群が見られた。

ラスボラsp

現地では、数十匹の群で泳ぎまわっている。水深が非常に浅いので、逆に採集するのが難しい。写真ではわかりづらいが、ブラックのラインはエラブタのあたりまで続いている。R・スマトラナか?大型の個体は見かけなかった。





プンテウスsp

こちらも正体不明のプンテウス。ラスボラに混じって泳いでいる。ビンタートゥスか?








メナムビーチ

サムイ島滞在中はメナムビーチのバンガローで過ごしました。

   
↑ でかい!でかいぞおお! 
見たことある人もいると思うけど、
10センチ近くあるヤスデです。
こんなのが
もぞもぞ歩いているのだから、
南の島はすごい。

↑イロカエカロテスと思われるトカゲ。
いつも椰子の木の幹にとまっていて、
近づくとすぐに幹の裏側にいって
しまう。顔の赤い個体も見かけた。
体色はその個体の感情を
反映するらしいが、この体色は?

このほかトカゲでは
バタフライアガマを見かけた。

 
↑ 
やたらハデなバッタ。日本のクルマバッタなんかも、
飛ぶときに下の羽根の黄色が結構目立つのだが、
こいつはピンクである。体のダークイエローも毒々しい。


ナトンタウン

 
 

ドリアン屋
果物の王様(女王だったかな?)その強烈なにおいで、ホテルに持ち込みが禁止になっていることもある。その匂いは例えるなら、松ヤニに腐ったタマネギを混ぜたような感じだ。しかし、「なれると癖になる系」のにおいでもある。果肉は非常に濃厚で植物とは思えない。まるでカスタードクリームである。写真手前の黄色いものは、果肉をほぐしてソーセージのようにビニールに詰めたもの。食べた次の日はトイレで気を失いそうになる。ぷう

  ナトンタウンで見かけたペットショップ。小鳥と熱帯魚を主に扱っているようだ。熱帯魚はグッピー、プラティー、エンゼルといったお馴染みのものばかり。 
  ナトンタウンの入口にある謎の店。軒下をよく見ると・・・なんとベタの形をした看板が!しかし、中にはだだっ広い土間があるだけで商品らしきものはおいていない。座っているおじさんは看板を書いているようだが・・・もしかすると闘魚場かもしれない。 
   サムイ島でのぼくの愛車=スズキ・カリビアンいわゆるジムニーワイドである。確か1日800バーツ(約4000円)で借りたと思う。タイやマレーシアなどは右ハンドルなので運転はしやすい。



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