ううっすらと色づくブラックウォーターの川。連日の雨で増水しており、流れは速い。水中に目を凝らすと、シペルスの様な水草が流れにたなびいている。採集してみるとそれは、なんと葉長が20センチ以上もあるホシクサだったのだ。
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岸よりの草の陰に目を凝らすと、なんだか丸い葉っぱが見える。「まさかここでも・・たぶんタデかな」と思いながら水中に肩まで手を突っ込んでその葉っぱをちぎりとった。葉の裏が赤い!見まごうことない丸葉系のクリプトだ!さらに上流の林の中に進むと、川底は一面クリプトに覆い尽くされている。非常に美しい場所である。しかし近い林の中からはチェーンソーの音が響いていた・・・
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残念ながら、このポイントではトリゴノスティグマ・ヘテロモルファ以外採集できなかった。季節はずれの長雨が恨めしい。
ビンタン島内のブラックウォーター、それも湿地帯を緩やかに流れる真っ赤な水で見られる、小型の美しいコイ科の魚である。マレー半島軟部からスマトラ島に広く分布するため、地域変異が見られる。筆者の知る限り、体側の黒斑が大きいタイプと小さなタイプがあり、タイ東北部からBoraras micros、Boraras sp.``micros red''、小斑タイプ、大斑タイプ、Boraras merahと南に向かってグラデーション分布していると考えるとおもしろいと思うのだが・・・
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