東南亜細亜掬魚紀行外伝
植物漫遊記


5日目

今日は最終日です。
前日、夜中までかかって採集した植物をリストアップしてパッキングしました。
大変でした・・・・
夜9:00の飛行機で帰るので、今日は一日ぶらぶら過ごします。
これ以上採集しても持って帰れませんからね。
少し観光でもしてみようかと、バウのフェアリー・ケイブに向かいました。
時間はたっぷりあるので、途中リコポのあった場所に寄ってぶらぶらします。
オベロニアがたくさんありました。

開花しているエスキナンサスを見つけました。
白い花のデンドロビウム
フェアリー・ケイブにつくとまずはコンクリートの階段をえっちらおっちら登ります。
洞窟の入り口が石灰岩の崖の中腹にあるからです。
今ある階段は建物に設置してあるのと同じ普通の階段ですが、そのすぐ脇には昔使われていた階段が残っています。岩の割れ目に沿って設置されていますが、傾斜が60°程あって幅も30cmくらいしかありません。登るのは良さそうですが、下りはかなり怖そうです。
階段の途中で、岩棚の上にNerviliaの仲間を見つけました。

階段を上りきると、洞窟の入り口がぽっかり口を開けていました。
洞窟の中からはひんやりした空気が流れ出てきます。
洞窟の入り口には例の毛の生えたシダや可愛い丸葉のベゴニアがはえています。

洞窟の中にはいると10m程先に岩の割れ目へと続く階段があります。
全く照明されていないので真っ暗なのと、階段自体がこれまた急角度で登るのは一苦労です。階段を上りきると目の前には巨大な空間が拡がっていました。

岩の表面にはシダやモノフィラエアが沢山生えていました。
植物達は上の方にある大きな開口部からの光に向かって葉をのばしていました

洞窟内の気温は低いのですが、湿度がすごく高くて少し動いただけでも汗だくになってしまいます。天井からは洞窟内に巣を作っている燕やコウモリ達のさえずりが聞こえます。

地面には茶色いコウモリ達の糞が積もっていました。
洞窟内の遊歩道を一回りして帰りましたが、やはり帰りも階段が難所でした。

フェアリーケイブを出るともうお昼でしたので、バウの町に戻って食事をとり、マーケットをぶらぶらしました。ビデオカメラを回していると、制服姿の女子中学生の集団がやってきて、ビデオに気付くと「ピース、ピース!」とピースをして去ってゆきました。どこの国でも一緒ですね。

それからクチンに戻ってヒルトンのアリダマを見に行きました。今年も変わらず木の上にくっついています。
その後は、土産物屋をまわって夕方まで時間をつぶしました。
夕方、ホテルに預けていた荷物を取りに行って空港に向かいます。
空港ではレンタカー屋のおにいちゃんに車をかえしてから、汚れた服を着替える場所を探しましたが、更衣室がみつからないので、仕方なく空港のトイレで服を着替えました。
最後は荷物を預けて一安心、あとは飛行機に乗るだけです。
ところが売店をウロウロしていたら、どこから入り込んだのか、お尻をアリに噛まれました。
ボルネオの精霊はいたずら好きだそうですから、ちょっとした別れの挨拶だったのかもしれません。


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